意見の対立を考えてみる

このエントリーは、TOCfE Advent Calendar 2015の6日目の記事です。
昨日のエントリーは、石村さんの”TOCfEのツールを使うとよさそうな会話”でした。

意見の対立を考えてみる

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TOCfEでとりあつかう3つのツールのうちの1つクラウドでは、意見の対立について考えることができます。

意見の対立について考えるメリットは、思わぬアイデアで対立を解消することができるかもしれないし、対立って苦しいので、それを構造的に考えられるだけでもかなり楽になったりします。

では、意見の対立とは何でしょうか。

対立の例を挙げてみます。

私はソフトウェア開発会社で働いているので、お客様から要求をうかがってシステムを作ることを日々やっていますが、作るシステムに対してお客様が「要求をなるべく多く詰め込む」ことを望まれることがあります。
最初から要求が多ければ、予算や期間も多くとって進めていけばよいのですが、予算や期間が決まった上で、要求がどんどん増えてくると、このときの私の反応としては、お客様の「要求をなるべく受け入れない」ように動かざるを得なくなります。

この対立についてTOCfEでのクラウド(対立解消図とも呼ばれる)を書いてみましょう。

「要求をなるべく多く詰め込む」や「要求をなるべく受け入れない」というのは、クラウドでは、「行動」と分類します。

action01.png

次に「行動」を起こしたいと思うトリガーを考えてみます。
クラウドでは「要望」と呼ばれています。

「要求をなるべく多く詰め込む」のは、「業務をなるべくシステム化することにより効率化したい」ためです。
一方、「要求をなるべく受け入れない」のは、(システム開発の)「納期・予算を守る」ためとしておきましょう。

それを図に書いてみます。want02.png

2つの「要望」について、クラウドでは「共通目標」というのを定義します。
この場合であれば、「業務をシステムによりうまくまわす」というのが共通目標でしょうか。

goal02.png

対立、すなわちジレンマが存在するときには、必ず共通の目標のような同じく目指すべきものが存在します。

私も最初、ここには違和感があったのですが、共通の目標がなければ、それぞれの行動を別に取ればよくそこでは対立は発生しません。
同じ目標に対して、両方の行動がこっちをたてるとあっちがたたずという状況に思えるからそこに対立があるように見えます。

ここで、実は対立しているのは「行動」であって「要望」は必ずしも対立していません。実世界の中の議論でも対立してしまうことはよくありますが、「要望」を見据えた行動について、喧喧諤諤と意見をかわしていますが、よく聞くと両者で実現したい共通の目標があるからこそ「要望」は実は対立していないということがあったりします。

相手がそのような行動を起こしている「前提」を考えてみます。下でオレンジ色の枠で囲っているのが前提になります。

assumption01.png

意見の対立が生じているとき、相手の意見はたいてい聞く気になれません。なぜなら、こちらの何かが脅かされていることが多いからです。

しかし、対立構造の相手の立場で考えてみて、なぜそのような行動を起こしたいと考えているのだろうという前提を考えてみると、相手の立場なりに納得できることがでてきたりします。

相手の立場に立って物事を考えてみるというのは、慣れないと難しいのですが、クラウドを書く場合にはそれが促されるのでそれだけでも対立構造の理解に役立ちます。相手の要望、行動を上に書くのも相手側の思惑をきちんと考えますよという思いが表れであったりもします。

対立の解消について

さて、ここが、クラウドの真骨頂なんですが、対立が生じているのは、お互いの前提・思い込みのためなのではないかと考え、対立の解消を考えます。相手側も誰かを困らせようとして、そのような行動を取っているわけでないのであれば、行動をする前提があるはずなのです。

この場合、相手側の前提を検討するのであれば、「本当になるべく多くの機能が実現された方が業務は効率化するんですか?」とか、「本当に予算内で多くの機能を実現した方が自分達にとって得なんですか?」とかを確認することになります。

自分側の前提を検討するのであれば、「本当に実現すべき要求が増えるほど開発費用、期間はかかるんですか?」、「本当に同じ予算ならば開発量を減らした方が自分達にとって得なんですか?」というのを確認することになります。

確認した上で前提が思い込みであれば、対立が解消できることもあります。例えば、「なるべく多くの機能を実現した方が業務を効率化できる」というのが思い込みであり、シンプルな機能の実現で重要な業務の効率化ができるのであれば、要求をしぼりこんで対立を解消することができます。

他にも、自分達の「要求が増えると開発期間や費用が増えて、システム開発予定が守れない」というのも思い込みで、必要な開発については交渉すれば予算・期間の交渉が可能かもしれません。

上記の例だと、そもそも相手側の「多くの業務をシステム化する」という要望も思い込みかもしれません。

長くなってしまいましたが、クラウドでは、このような対立構造を記述して、そこにある構造や思いを表現して、打開する策が無いかを考えることができます。

それだけなくても、対立を表現できるクラウドという記法を勉強することで、実世界で、どうしようもない対立(ジレンマ)に遭遇したときであっても「対立キターー!」クラウドで解消してやる〜と思うだけでも、心の余裕がかなり出る(これがこの記事で言いたかったこと)のでおすすめです。

対立を解消し霧散するためのよくあるパターンや、分析の方法などについては本やTOCfE Bootcamp などで説明されていますので、興味を持たれた方は是非、参照してみてください。

ちなみに、最近、私が一番気になっている対立は以下のものです。これの解決は大変難しそうだ〜〜。

ghost_cloud.png

 


おっと、上記で説明したTOCfEクラウドを含め他の2つのツールについても、TOCfEを日常の中でこんな風に使ったよ、というお話を聞けるイベントが12月19日(土)、秋葉原で開催されます。

【東京開催】日常系非日常TOCfE ~日常の中でちょこっとやってみたこと言う会~

クラウド含め興味を持っていただいた方が知るのにもってこいのイベントですね。

次のエントリ

明日の TOCfE Advent Calendar 2015 8日目は、公私ともに多忙そうで、パワフルなたのっちです。おたのしみに!

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