TOCfEのADVENT…ろうそくの物語

©キャシー・スエルケン

(転載者注)本記事は「TOCfE Advent Calendar 2015」の25日目の記事として書かれたオリジナル記事の飛田さん&柴田あっちゃん & その他有志による翻訳です。

「待降節(advent)」の季節はキリスト教的な意味もあります。けれど、「出現(advent)」という言葉は、何か素晴らしいものが来たんだ、とか、始まろうとしているんだ、と感じさせるものです。

そうして、いつも思い出されるメッセージがあります。わたしのTOCfEの旅の始まりを予兆していたメッセージです。

それは13歳の生徒が書いたメッセージでした。

最後の一文にはこのように記されていました。「この先ずっと続く長い旅路に光をくれて、ありがとう。」

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1993年2月のバレンタインデーに、ニコルはこのメッセージを学校のわたしの机の上に残していったのでした。エリ・ゴールドラットという男性に会うためにミシガン州デトロイトへと向かおうとするまさに数日前のことでした。

ニコルのメッセージは不可解でした。一体、何がこう書かせたのでしょう?

何がこの言葉を書かせたのか、わたしにはわかりませんでした。けれど、このメッセージを確かに受け取りました、と返事しなければならない、そんな確信はありました。

というわけで、そのメッセージの意味するところを正しく伝えるものを探して、山ほどの名言集の中をわたしは探し回りました。

こうして、エリとジョナ(訳者注:”TOC思考プロセスの認定を受けた人たちのこと”)達との初めての出会いを経験する中で、このEdith Whartonの名言がわたしの記憶と魂に刻みこまれたわけです。

1992年のクリスマス25日まであと数日というアドベントカレンダーの時にエリからかかってきた一本の電話が、わたしのジョナ・カンファレンスへの旅の始まりでした。

その年の初めごろ、わたしは感謝の手紙をエリに送っていました。その手紙で、わたしは自分がどのように『ザ・ゴール』の本にあったコンセプトを生徒たちに使ったかを伝えました。

その手紙がジョナ・セミナーへの奨学金に化けたわけです。

身に着けたばかりのジョナの知識を中学生相手にどのように使ったかについて、300人の経営者に向かってプレゼンしてください、と依頼された時には、わたしにはそんなことをやる自信はまったくなく、不安そのものでした!

しかし、そのイベントの直前にニコルからもらったメッセージが、わたしに勇気とインスピレーションを与えてくれたのでした。

そしてまた、「失敗するのが怖い」ということに対する中間目標が、「このプレゼンは自分のことを話すプレゼンではないことを思い出すこと」だと気づくとホッとできました。

わたしはただのメッセンジャーに過ぎませんでした。カンファレンス参加者へのメッセージに集中する必要がありました。そのメッセージとは、子供達がどれほど学びを渇望しているか、そして、良心からの行動には良心でこそ応じようとするその熱心さがどれほどのものか、ということでした。

プレゼンテーションには、この素晴らしい事実を伝える完璧な事例がありました。それは、最近あった、子供たちへの授業の話でした。TOCという贈り物をすべての子供たちに何とかして贈り届ようとした、素晴らしい人物が持っていた優しさを説明しようとする授業でした。

『ザ・ゴール』を読んでからいうもの、授業スタイルによりソクラテス式な方法を取り入れるべきだと自覚するようになり、わたしは生徒たちへ質問することで授業を始めました。「誰かがあなたのことを信じているのだと納得できるとしたら、一体どうやって分かるのでしょうか?」

生徒たちは考えて次のような答えをしました:

「その誰かが、信じていると言ってくれている」
「その誰かが、実際に信じてくれている」
「その誰かが、成長の手助けをしてくれている」

一言一句違えずにその返事をスライドに書き写し、それを持って、ジョナ・カンファレンスの聴衆に見せました。11歳12歳の子ども達の誰も、「アメとかお菓子とかちょうだい」などと言わなかったことも付け加えておきます。深い確信とともにわたしは言いました。「なぜならば、人生においてかけがえのないものというのは物質的なものではないということを、この子たちは直感的に知っているからです。そのかわりに、子どもたちは、価値あることのリストをくれたのです。」

その瞬間、私は、聴衆と共に子ども達から学んでいました…

子ども達は実例で私たちに教えてくれました…子ども達こそが指導者でした!

聴衆は夢中で聞き入っていました。イベントを通してのその反響は圧倒的でした。

大勢の人がわたしのところに来て、「TOCが子供たちに適用できるとは夢にも思わなかった。このカンファレンスの期間、ビジネスの問題に取り組む代わりに、自分の学校のシステムに対してTOCを適用することに取り組みたい」と言いました。

子供たちのところに戻るために、わたしはイベント途中で帰らないとならなかったのですが、人間の本質に関する共生の学習曲線について自分の考えを述べる必要を強く感じました。エリの許可を得て、わたしは次の言葉を述べました。それはニコルへの返事の中で引用したものです。

「学校のビジョンについて、市民団体に対してわたしはスピーチをずっとしてきましたが、そこから私が学んできたのは、ビジョンは山の頂上からの眺めではない、ということです。そうではなく、ビジョンとは旅をする過程で学ぶものなのです。これこそが、あなたから学んだことです。Edith Whartonによると「光を照らすには二つの方法がある。ろうそくになるか、それを映す鏡になるか」。ですから、もし、今この瞬間にわたしが鏡を持つならば、結果として、あなたは自分がろうそくを持っていることに気がつくでしょう。」

ナイスビルに戻って2日後、わたしは校長室の外に座っていました。Goldratt Instuituteが私たちの学区のために特別なジョナプログラムを寄付することを決めたというニュースを共有するためでした。

控室で待っていたとき、午前8時の早朝の打ち合わせに急いだために、ドレスの一番上のボタンを留めていなかったことに気がつきました。

ボタンを止めなおそうとしたその時、ふと上を見上げてみると、天井照明の修理をしていた作業員がすぐそばでわたしをはしごから見下ろしているのが見えました。

わたしは恥ずかしくなって立ち上がり、部屋を出て、長い廊下の方へと向かいました。なるべく人目につかないところを探して、建物にいる人から見えないように数歩退きました。

ボタンを直し終えて、わたしは真正面の壁を見上げました。思っていたのとは違って、そこは建物の誰からでも見える場所でした。どうやらわたしの認識はまったく見当違いだったようでした。

そこでわたしが目にしたものはとても象徴的で意義深いものでした。もしボタンのことがなかったら、この訪問の最中にこの場所に移動してきて、それを目にすることはありえなかったでしょう。これは神様がくれた巡り合わせというものでしょうか?あるいはこれこそ、エリがいつも電話で言っていた「シンプルさを探求しなさい」ということなのでしょうか?

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わたしは美術コンテストにエントリーしていた9歳の生徒の絵を見つめていました。

ろうそくを映す鏡の前に立てられたろうそくが描かれた絵でした。その2日前にエリとジョナ達に話していた言葉をそのまま視覚的に表したものでした。

もちろんわたしはその絵を見て衝撃を受け、呆然としました。校長室に戻りながら、絵の場所を伝えなければならない、そうしたら校長先生もこの重要性を経験するだろう、と考えていました。

校長先生はその通り衝撃を受けて重要性をわかって、女の子の両親に電話をして連絡をとらせてもらえるようにお願いしましょう、と言いました。

そのおかげで、Rheaがどうしてその絵を描いたのか聞くことが出来ました。その答えはこうでした。「うちのリビングには小さいテーブルがあって、そこにはろうそくがおいてあるの。それで、もし鏡の前においてみたらどんな感じかな、って思ったの。鏡に写ったろうそくがどんなふうに見えるか想像しなければならなかったのよ」

RheaとはWin-Winの取り決めをしました(^^) その絵はそれからずっと、素晴らしい「始まり」の象徴としてTOCfE本部のリビングの目立つところに掛けられています。いろいろな国からのTOCfEの訪問客がこれを目にしてきました。

わたしにとってはそれは、「わたしたちの旅」となった旅の始まりを象徴しています。なぜならば、あなたこそが今、誰かのために道を照らしているのです。

より良い世界に続く、終わりのない旅の道すじを。

キャシー・スエルケン
フロリダ州ナイスビル
2015年12月25日

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CLRで問題発生!?

この記事はTOCfE Advent Calender 2015の23日目の記事です。昨日は滝川さんの「デスマーチを振り払う理の技を持つ技術」でした!忙しいのにお疲れさまです!

こんにちは。Hirakata Fumiyaです。大学院でマーケティングの研究しています。よろしくお願いします!

 

  1. CLRで問題発生!?

今回は「問いかける」ということをテーマにはなしていきたいとおもいます。先日、柴橋さんが「相手も自分も幸せになる」ことが大事でそのためには「相手と対話を続けること」が必要だよねとおっしゃっていました。そして、そのための手段としてTOCfEがあるのだと。TOCfEは問題解決のためのツールです。そのため、問題解決のために「相手と対話を続け」、問題を解決し「相手も自分も幸せ」になることができるツールでもあります。この「相手と対話を続ける」ためには、相手に対して「問いかけ」、話を聴かなければなりません。

TOCfEを知っている人からすると、「問いかけ」といえばCLRを思い浮かべると思います。また知らない人からすればCLRってなんだろうと思うことでしょう。CLRに関しては藤田さんが記事をあげてくれているので詳しくはそちらを参考にしてください。簡単に言うと、コミュニケーションや推敲を行っているときに、腹落ちせずそれが倫理的に問題ないものとして挙げられるのはこの4つだよってことです。なので、相手のことがそもそも嫌いなので発言が腹落ちしないといったようなことは倫理的に問題なのでここには入りません(笑)。つまり、相手の気分を害さないように質問するためのものなんです。

さて、相手との対話を続けるための「問いかけ」の手段としてCLRが使えれば問題が解決する・・・とは限りません(笑)。例えば、こんなシーンです。相手の相談を乗っている時など、相手のかたの問題を解決するために、相手が発言したことに対して、「〜ってどういう意味ですか?」や、「それって本当ですか?」といったCLRでお馴染みの質問をします。本来ならそれでどんどん話がクリアになっていきそうですが・・・実際には相手がめんどくさそうに感じたり、傷ついたり、イライラするといった事が生じることもあります。案外こういうシーンって見かけますよね。僕自身もこのようなことがないわけではないです。何を隠そう柴橋さんも先日「〜を理解する、の理解するってどういう事ですか?」といった質問を何度も投げかけ相手をイラつかせていました!こういったように、対話を続けるためのCLRによって逆に対話ができなくなるという問題が生じてしまうことがあります。

 

  1. CLRを行うタイミング、言い方

なぜCLRによって相手は気分を害してしまうのでしょう?それは質問された側が自分の考えを受け止めてもらっていないと感じているからではないでしょうか。ではどのような場合に自分の考えを受け止めてもらっていないと感じるのか?それはCLRを行う「タイミング」と「言い方」にあると思います。

まず、タイミングの話からしましょう。さきほど言ったように問題解決のために相手の話を聞いている時にCLRをする場面を想定してください。問題を抱えた人は頭の中がもやもやしています。そもそも問題とは理想と現実のギャップです。こうなるはず(理想)と実際に起こったこと(現実)にギャップがあるということは、想定外のことなんです。そのため、なぜそうなったかわからず頭の中はモヤモヤしていて、気持ちが落ち着きません。そんな時は、まずそのモヤモヤした気持ちを落ち着かせたくなります。それなのにCLRのような「〜とはどういう事ですか?」や「それは本当ですか?」といった頭を使う質問をすると相手は疲れちゃいますね。実際、私も誰かに話を聞いてもらっている時など、論理的じゃないのはわかってるけど話を最後までさせて欲しいと思うことはちょこちょこあります。このような時はまず自分の考えを受け止めてもらい、気持ちを落ち着かせたいですよね。

では、相手の気持ちが落ち着いていれば、CLRを行っても問題ないのか?実は、そうではありません。言い方の問題でも、相手の気分を害してしまいます。例えば、自分の発言に対してすぐに「それってどういう意味?」や「ほんとに?」といった質問を投げかけられると自分の発言を非難されているように感じてしまいます。相談している時は自分の発言が不明瞭な部分があることをわかっていることも多いです。そもそも自分の考えがしっかりまとまっていれば誰も相談などしません(笑)。そのような時に「発言の甘さをすぐに質問される」と、質問された側としては突き放されたように感じますよね。相談している相手は、問題解決のために話を聞いてもらっているはずなのに、こっちが責められているような気分になってしまいます。このようにタイミングや言い方の問題によって、質問された側は相手に突き放されたように感じてしまいます。

 

  1. 「寄り添いながら」問いかける

3-1. 突き放さない問いかけ

では、質問された側が自分の考えを受け止めてもらっていないと感じたり、突き放されたと感じないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?それは、相手に寄り添いながら「問いかける」ことです。さきほど述べたようなことが生じるのは、問いかけによって相手が突き放されたような感じを受けるからだと思います。そのため質問された側が、一緒に問題を考えてくれている、問題解決の道のりを一緒に走ってくれているという感覚を持てるような問いかけ方が大事だと思います。それがここでいう「寄り添いながら」問いかける、です。

 

3-2. 書き留め、確認し、問いかける

相手に寄り添いながら「問いかける」ためには、具体的にどうすればいいのでしょうか?それは「問いかけ」を行う前に、相手の考えを「書き留め」、それを読み上げることで「確認する」ことです。 具体的には、相手の気持ちが落ち着いていない時には、CLRで「問いかけ」をする前に、まずは不完全な表現が含まれていても「書き留めて」ブランチを最後まで作り、それを読み上げて「確認する」ことで考えを受け止め、相手に対して寄り添う姿勢を示すことができます。また、ブランチを書いた後でCLRを行った時も、質問に対する答えを付箋などに「書き留め」、それを読み上げて「確認して」から次の質問を行うことです。例えば、「授業がまとまらなくて」と言ったときに、すぐに「授業がまとまるってどういう意味ですか?」と切り返されるより、「なるほど。授業がまとまらないんですね。じゃあ、そもそも授業がまとまるってどういうことなんでしょう?」と返される方がいいですよね。ちょっとの違いですが受け取る側の印象はかなり違います。

このように、問いかけを行う前の、相手の考えを書き留め、確認することで相手は自分の考えを受け止めてもらったと感じるようになります。そして、そのように相手が感じることで相手の気分を害さずに、問題解決をすることができます。

 

  1. おわりに

今回の話をまとめると、CLRを行うときには相手に「寄り添いながら」問いかけましょう。そして、そうするためには「問いかける」前に相手の考えを「書き留め」、そして「確認する」ことが大事だということです。なぜならば、相手の相談にのっている時にCLRによって生じる問題の原因の一つとして考えられるのは、質問された相手が自分の考えを受け止めてもらえていないと感じるからであり、質問された側の考えを「書き留め」、読み上げることで「確認する」ということが相手の考えを受け止めていることにつながるからです。

今回、CLRによって生じる問題に関して話をしました。なぜこのような話題を選んだかというと、ごくたまに今CLRによる問いかけをすべきかどうか迷っている自分に気づいたからです。つまり、「CLRを行う」「CLRを行わない」のジレンマを抱えていたことに気づいたんです。そして、このジレンマを抱えている人たちが自分以外にいるんじゃないのか?と思い、この記事を書こうと決めました。

 

 

この記事を読むことで同じようなジレンマを抱えた人にとって参考になればいいなと思っています。また、TOCfEを知らない方にとってはfEのツールは単に論理的に考えるためのツールではなく人の話を聴くことができるツールであることがわかってもらえると嬉しいです。ありがとうございました。

 

さて明日は川又さんの記事ですね!どんな記事を書くか興味があります!明日のお話にも乞うご期待!

 

 

子育てあるあるブランチ(字が読めない子も思考する)

こんにちは。KANDA Yuriaです。11歳男子と5歳女子を育てつつ会社員やってます。

TOCfE Advent Calendar 2015
http://www.adventar.org/calendars/936の21日目の記事です。

昨日は入江さんの「相手の立場に立って考える、ということ」でした。相手の立場の立ち方は2種類あるんですねー、なるほど~!
Takigawaさんの記事を楽しみにしていた方がいらっしゃるかもしれませんが、事情によりトレードし、KANDAがお送りします。

 

TOCfEはTOC for Educationなので、小さな子供でも使えます。
アドベントカレンダーの11日目に伊藤さんも書いてくださっていますが、ポーランドの教材もなしに紙とペンだけで字の読めない子どもとやってみた例もあります。

こんなのです。

薬を飲まないとどうなるブランチ

見ての通り、プリントの裏に書いてます。
薬を飲みたくないと主張する3歳児(A01)とおもむろにお絵かきを始め、話します。

私:A01はお薬全部「バツ×!飲まないよー」ってしたいのね?

A01:うん。

私:お薬飲まないと、どうなる?

A01:A01ちゃんうれしい。(にっこり)

私:そうだね。A01はうれしくなって、明日はどうなる?

A01:おねつ。 (怪しい雲行きを察知)

私:お熱が上がるとどうなるの?

A01:びょういん。ちゅうしゃする?やだー。(はんべそ)

私:うれしくなくなっちゃったの?じゃ、お薬飲むとどうなる?

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薬を飲むと、ママとパパがほめてくれて、お熱が下がって、明日の保育園のクッキングができる。「どうぞのいす」の劇の練習もできる…と本人が話しました。前半とは反対に、お薬を飲むことを想像する時のしかめっ面からだんだんにっこりに。

A01:おくすりのむ。

私:そっか、じゃあ、準備するね。(心の中でガッツポーズ)

~~~~~

このブランチ、CLR練習で文にしてみたことがあるのです。
※CLRについてはこちらを参照

「びょういん。ちゅうしゃする?やだー」
↓CLRで表現修正後
「A01は病院で受診して注射を受けなければならなくなる可能性が高まる」

「保育園のクッキングができる」
↓CLRで表現修正後
「A01が明日のクッキング活動に参加できる可能性が高まる」

…なーんかナンセンス(笑)
大人が一方的に言って聞かせるときは、「~になっちゃうかもしれないよ」という脅しだったり、「~できるかもしれないよ」という希望的観測だったりで説得を試みることになりますが、本人から発せられた言葉なら「~なりそう(と本人が思えている)」なので絵で十分でした。

そして今日も、発熱中のA01(ただ今5才)は毎度いやーな顔をしながらもお薬飲んでます。

 

というわけで、見よう見まねで何とかなります。
ぜひお子様に「~したらどうなるの?」って聞きながら書いてみてくださいませ。

 

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さて、明日こそきっと、3連続徹夜明けでTOCfEのイベントに参加していたという熱いTakigawaさんの記事がUPされる、はずです。乞うご期待!

 

 

恋歌放浪記 

この記事は、TOCFEBCアドベントカレンダーの18日目の記事です。
17日目はSaito Kosukeさんの衝撃の力作『愛しさと切なさと心強さと部屋とワイシャツと俺とお前と大五郎』でした。

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こんにちは、18日担当の安田です。

今日のお話は滋賀近隣の有志で結成されたTOCfE滋賀の会より、『TOCfEの考えるツール』と『恋歌(こいうた)』をコラボさせた新しい試みにつて皆さんにご紹介をさせていただきます☆

なぜ恋歌なのか?

そもそも滋賀の会では結成当初真剣に取り組むあまり、会の継続の危機に陥ったことが。。。そんな中ゆるくてもいい、低空飛行でもいい、みんなが楽しく続けて行ける集まりにしよう、というということで『楽しく学ぶ』をモットーに活動を再開しました。

ではどうしたらみんなが楽しみながら学び合える、が実現できるのか?

そしてこのメンバーで(飲みながら)考え抜いた結果、行き着いたところがこの恋歌❤だったわけです。

恋歌は短い文章の中に、作者の思いやその場の情景、そして登場する人々の様々な心の動きが込められています、これをFEの考えるための3つのツール、

-物事を論理的に考えるための『ブランチ』
-ジレンマを解消するための『クラウド』
-目標を達成するための『アンビシャスターゲットツリー』

を使って読み解いたら面白いのでは?

誰でも経験する恋愛、いつの時代でもほっとな話題で話に花が咲く、そしてなぜか気持ちが和やかに、まさに楽しみながら学び合える!こんなことがきっかけで滋賀の会の『恋歌の読み解き』プロジェクトがスタートしました。

TOCfEと恋歌の読み解きのコラボ

でもどうやってFEの3つのツールと恋歌を組み合わせるのか?

その手順をちょっとだけ皆さんにご紹介します(^^)

<読み解きの準備>
~恋歌の文章から詩に描かれている登場人物や情景を読み取りその場面をイメージする~

読み解きにおいて一番大切なことは詩歌のそのシーンや背景を具体的にイメージすることです。

という事でまずそれに必要な情報を集めることから始めます。そのための手順が下記の2つのステップになります。

☆Step1 プロファイリング(発散)
言葉少ない文面からその文章、言葉1つ1つに込められた登場人物の気持ち、そして情景を想像してできるだけたくさんの情報をポストイットに書き出して行きます。ここで大切な『想像(妄想)力』を掻き立てる質問です。いかにたくさんのワードをだせるか、これがこのワークの肝にもなります。

☆Step2 プロファイリング(収束)
発散してでまくった情報を集約して恋歌の登場人物、情景、シーンをより具体的に鮮明に描いていきます。

これで恋歌を読み解くための下準備が完了です!

そしていよいよツールとのコラボへ。

恋歌の多くはその背景に筆者の恋の悩みが隠されています。それをそれぞれのツールを使って解決の糸口をみんなで一緒に考えていきます。

まず作者は今どんな恋愛をしているのか、そしてどんな思いが渦巻いているのか歌が読まれた背景を紐解いていきます。

<ブランチ編>
~恋歌に歌われているシチュエーションまでのストーリ-や背景を、そして今後の展開を予測する~

①プロファイリングの情報から歌われているシーンまでの出来事(気持ちの動き)を順番に並べていきます。

②出来事が次の出来事につながる『理由』を付け加えます。

③出来上がったブランチの中にポジティブからネガティブに変わった『ポジネガポイント』を選びます。
※切ない恋にはたいていの場合うまくいかなかった経験を綴られています

④特定したポジネガポイントを打ち消す新しい解決策をみんなで考える。

出来上がりはこんな感じ。

 

発散収束

さまざまな思いが整理されてくると作者が抱えている悩みやが見えてきます。作者の心の中ではどんな葛藤があるのでしょう、そのジレンマに迫ります。

<クラウド編>
~恋歌の背景に潜む作者の心の葛藤や苦悩を明らかにし解決策を考える~

①プロファイリングであぶり出された詩の背景やシーンから恋歌に表現されている作者の『心の葛藤』を特定する。

②なぜその葛藤が起こったのか、二つの行動で満たしたい『要望』、そしてその要望が満たされた先のゴールを書き出す。

③その要望を満たすためになぜその行動をする必要があるのか、そうしないといけないと思っている理由を書き出す。

④二つの要望を満たして目標を達成できるような新たな方法を考える。

心の葛藤を表したクラウドはこんな感じ。

クラウドブロファイル1

まさはるのクラウド

気になるあの人との明るい未来に向けての道筋が見えてきた、でも道のりはまだ遠そうだ…
どうやってらこの目標を達成できるのか、明るい未来を確実に実現するためのプランニングに移ります。

<アンビシャスターゲットツリー編>
~明るい未来を実現する為の戦略と戦術を考える~

①プロファイリングから作者の置かれている現在の状況をイメージし、思い描く明るい未来、実現したい『アンビシャスな目標』を特定する。

②現状から最終目標にたどり着くまでの『障害(できない言い訳)』を書き出す。
③障害を乗り越え実現したい『中間目標』を設定する。

④どうしたら中間目標を達成し明るい未来にたどりつけるのか?今まで思い付かなかったような新しい行動(手段)を導きだす。

ATTお題

ATTチーム渡辺ATTチーム長谷川

 

と、足早に活動内容を書き連ねてきましたが、
不思議なことにどこで開催しても性別や年齢にかかわらず、来てくださった人が笑顔になって本当に楽しそうにワークに参加してくださり、最後にはイキイキとした表情に変わっていく、そんな光景を毎回目の当たりにしていました。何か恋歌には人を元気にさせるパワーがあるようです☆

そんな不思議な雰囲気を味わってみたいっと思った方は、
ぜひ滋賀の会にお越しください。楽しい空間と美味しい滋味とお酒とユカイな仲間がお待ちしています。

 

恋歌の読み解きを振り返って

はじめはみんなで楽しくなが~く続けていけるコンテンツがないかなっと簡単な気持ちで始めた恋歌の読み解きですが、この一年いろいろな場所でそして様々な人と一緒にセミナーを実践する中で当初想像もしていなかったほどの反響がありました。そして自分自身としても本当にたくさんの気づきを得ることができました。

それは、

頭の中の言葉を言葉や文字にして伝えるということの大切さ
表面上見えない背景や目に見えない人の感情や気持ち。だからこそそれを相手に伝えようとすることでよりお互いが分かり合うことができ、お互いに歩み寄ることができる。これって人とのコミュニケーションにおいてとても大切なことですよね。
恋歌でこの見えない情景や心の動きをみんなで一緒になってとことん考えることでその大切さに改めて触れた気がします。

次に、

相手の立場に立って考えるや周りの人のことを考えるということ
相手の立場に立って考えることって大切なこと、とわかっていてもやっぱり普段の生活の中でなかなか難しいこと。でも恋歌の読み解きで『作者の気持ち』をとことん考えるということをやってきました。まさにこれが相手の立場で考えるということですよね。

当事者や近い人となるとどうしても難しいけれど、自分から外れた第3者的な視点から相手の立場に立って考えることで冷静にその人物を見つめ、考える事ができたのだと思います。恋歌のワークを通して相手の立場に立って考えるを体感できるいい場になっていたのだなと感じました。

最後に、

何事も楽しむことが肝!
なんといってもこの恋歌の読み解きを通して一番印象に残っているのは参加者の目を輝かせて、楽しそうに語り合う姿でした。何よりその様子を見ている自分まで元気が湧いてくる、そんな場にたくさん遭遇してきました。

そして気がついたことは何をするにも一番大切なことは『楽しむ』ということ!更にその場を周りの人と共有して一緒に楽しむことで、みんながイキイキと、心が満たされたようなあったか~い気持ちになれるということです。

何か行動して続けようとするためには源となるパワーが必要、それがこの『楽しい』という感情なんじゃないのかなと思います。それも1人ではなく、周りの人も一緒に楽しむことでさらなる相乗効果が。

自分がFEコミュニティーや滋賀の会でこれまで活動を続けてきた『理由』それがこの楽しいという感情からきているんだということに今やっと気がつくことができました。

そしてこれからも恋歌を通してたくさんの人に楽しみを与え続けながら滋賀の会の恋の伝道師(見習い)として来年も恋歌放浪の旅に歩きまわりたいと思います。明日は皆さんのコミュニティーに現れるかも(笑)

次回の野望を述べたところで私の恋歌放浪記 vol.1を終わりにしたいと思います。

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最後に明日開催される楽しいイベントのお知らせです^_^

【東京開催】日常系非日常TOCfE ~日常の中でちょこっとやってみたこと言う会~

ご興味ある方は是非を!
明日は、柴橋学さんの記事です。TOCfEのコミュニティーのみならずたくさんの場で大活躍されている柴橋さん。何より人を思いやる心遣いや振る舞いは超一流っ、個人的にも大変お世話になっていて尊敬する人物のうちの1人です。

さて明日のお話に乞うご期待!

「問題」を「前提」にしてしまえ!

このエントリーは、TOCfE Advent Calendar 2015の10日目の記事です。
昨日のエントリーは、土井柾輝さんの”大学生のTOCfE”でした。

中1日で再登板のたのっちです。ホントは5日、10日で書く予定でした。
実はウラでいろいろ調整をしまして。そうしたら、中1日となりました。
ところで、中◯◯と書くと、某メイドの人が浮かんでくるのはどうしてなんでしょうね。(すごくどうでもいい)

「クラウド」とはなんぞや

今日は「クラウド」について書いてみたいと思います。
「クラウド」とは、別名「対立解消図」や「Evaporating Cloud(雲の消滅)」とも呼ばれます。
対立が無くなると、雲が晴れてすっきりする。そんな感じですね。

「なぜ決断をできないのか」

さて、今日は私が昔実際に苦しんだ問題を改めてふりかえってみようと思います。
かつて、私が関わっていた某システム開発プロジェクト。
やっていたのは、人事に関わるシステムの開発でした。

この手の話は、シフトの組み方から給与体系まで、業務の仕組みとして多くのことを決めなければなりません。
大枠は人事コンサルタントなる方が考えて提案をします。
が、実業務の細かいところまでは行き届かない。ということもままあるかと思います。
良くも悪くも、フレームに当てはめて「こうしてみるのはどうでしょう」と提案するのが彼らのお仕事です。ものすごく細かい運用の部分は、やはり現場が決めなければなりません。

こうしたなかで、システムを作っていく中で「ここはどういう形で運用すればよいのだろう」と迷う場面が山ほどでてきます。自分で考えてもわからないので、お客様に問い合わせる。しかし、お客様が答えてくれない。お客様が答えてくれなければ、仕事が進まない。上司からは納期をせっつかれる。それで、えいやで決めて作ると「それは違う!」と差し戻しをうける。

こうしたことが繰り返されると、お互いの関係が悪くなるわけです。ぶっちゃけつらかった。

では、本当はどうすればよかったのだろう。というところを、改めてクラウドで考えなおしてみようと思います。
「仕様を決められない」vs「仕様を決めたい」のクラウド
Android版TOCクラウドアプリを使って書きました。)

意思決定できないヒトではなく、意思決定できない仕組みが問題

もともと、通常業務を回すので手一杯になるような人員配置とスケジュールで動いているなかで、新システム開発の仕様で意思決定をしなければならない。意思決定をするためには、そもそも業務のあるべき姿から考えていかないといけない。
となると、意思決定をするための検討の時間も取れない。

結局のところ、意思決定できないお客様ではなく、意思決定するための検討をする時間を確保することができる体制ではないことが問題だったのだなぁ。と振り返って感じました。
「バグを憎んで人を憎まず」ですね。状況変化から仕組み上のバグ。ホント、人を憎むとロクなことにならない。

問題を解消できないならば、その問題を前提条件にしてしまう

TOCfE流のクラウドでは、お互いの対立を見ずに、真ん中のお互いの要望を両立できる方法を考えます。
一方で、TOC思考プロセス流(のなかでも、特に「全体最適の問題解決入門」で説かれる岸良裕司さん流の)クラウドでは

  • 「相手の行動と自分の要望」
  • 「自分の行動と相手の要望」
  • 「お互いの行動が対立しない条件」
  • 「両者の要望を両立する術」

の4つで考察する「相自時妙」という方法も存在します。

実は、最近自分の思考方法が、後者の考え方。そのなかでも「相手の要望を叶えつつ、自分のやりたいことをしたい」という方向で解決策を考えているなぁということに気が付きました。

この例ですと「そもそもの新システムで実現したい業務のあり方を踏まえると、この◯◯業務では☓☓という形で業務を回すほうがいいと思っています。そのための手段としてA, B, Cの手段があります。どれも一長一短ですが、この判断基準のもとであれば、Aが一番よいと思うのですがどうでしょうか。」
といった具合で、YES/NOのクローズドクエスチョンに持ち込んでしまう。

もし、お客様が意思決定をするための検討の時間がとれないのであれば、こちらで肩代わりをして検討をする。それで合っていればOK。間違っていたら、改めてどうありたいのかを聞く。

といった具合で、自分を制約に合わせたほうが楽だと考えるようになりました。

「問題」を「前提」にすると、可能性が広がる。

こうやって「問題」を「前提」にすることで「あれもできるんじゃないか」「これもできるんじゃないか」という具合で、問題に立ち向かう方法がいろいろ思いつくようにもなりました。

「人が集まらない」なら集まらないでいいじゃない。「発表資料作るのが当日になる」なら、むしろ作らなくてもいいじゃない。それでも成り立つ方法を考えようぜ。

そんな思考から、新しい世界ができるんじゃないかなぁと思っています。

いつもの告知

毎日告知をしている
【東京開催】日常系非日常TOCfE ~日常の中でちょこっとやってみたこと言う会~
も、こんな発想から生まれました。別に大仰なカンファレンスでなくていいじゃない。普段やってることを話そうよ。それでいいじゃん。そんなノリです。

こうしたことを考える人たちの集まりなので、だいぶ振り切った場になると思います。現在、発表順などをうまく活用して、さらに振りきれるように持っていけないか妄想を膨らませております。
(この、振り切り度合いを高める計画を立てるのが楽しかったりします。)

果たしてどんな世界が生まれるか。気になってしまった方は、12月19日(土)秋葉原の会場に遊びにきてくださいませ。

さーて、明日のTOCfE Advent Calendarは?

Akihiro Itoさんが「幼児向けTOCfE教材Chest of Secretsの紹介」をしてくれるそうです。
いったいどんな教材を作られたのでしょうか。なんだか気になります。

The Chest of Secrets

The Chest of Secrets

このエントリーは、TOCfE Advent Calendar 2015の11日目の記事です。
昨日のエントリーは、中一日を挟んで2度めの登場!たのっちさんによる“「問題」を「前提」にしてしまえ!”のお話でした。

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こんにちはTOCfE調布塾の伊藤です(実は調布塾には伊藤が二人いますが、私は塾長では無い方の伊藤です)。

突然ですが、ここで質問です。

あなたはいくつくらいの時にTOCfEを学びたかったですか?
また、ご自分にお子さんがいらっしゃるならば、いくつくらいから学ばせるのが良いと思いますか?

「大人になってから?」
私も五十を過ぎて学び始めましたが、この歳まで知らなかったことが悔やまれてなりません。

「大学生くらいには。。。」
そうですね。せめて社会にでる前に学んでおきたかったように思います。

「中高生!」
論理的思考力が伸びてくるこの時期に学んでおくと、勉強がもっとできていたかもしれません。

「小学校からでも早すぎないんじゃない?」
“ひとのせいにしない”問題解決の方法を知っている子どもたちが増えれば、いじめの問題なんかも無くなりそうですね。

しかし、もっと小さい頃から学んでおけば、きっと人生そのものが変わっていたかもしれない、と考えたことはありませんか?

TOCの思考プロセスで問題解決するための心構えに、
1.人はもともと善良である
2.物事はそもそもシンプルである
3.すべての対立はWin-Winで解消できる
4.わかっているとは決して言わない
と言う”4つの信念”があります。

01 4つの信念

これは思考停止すること無く徹底的にWin-Winの解決策を考え抜くためのマインドセットですが、現実の世の中はなかなか厳しく、実際にWin-Winで対立を解消する経験が乏しいまま大人になってしまうと、理屈としては理解できても“信念”として腹に落とすのは結構難しいように思います。

人生のスタート時点から3つのツールに親しみ、多くの成功体験を積みながら自然に”4つの信念”を育むことができたら、きっとゴールドラット博士の言う「充実した人生」を送ることができるにちがいない、と思われてなりません。

とは言え、実際の3つのツールは幼い子供が最初に接するものとしてはいかがでしょう。

自分が幼児の時にこれを見たとして、また、就学前のお子さんにこれで教えようとした時に興味を持ってくれると思いますか?

02 素の3つのツール

最近ではかわいいうさぎやキリギリスのイラストの載った本もありますが、それでも幼い子供の興味を引くにはまだ足りないような気がします。

そこで「The Chest of Secrets」の登場です。

教材いろいろ

「The Chest of Secrets」はポーランドのマチェック・ウィニアレック氏が考案し、実際に彼の地の幼稚園や小学校で実践されている、TOCfEの3つのツールを子どもたちが学ぶための教材です。

内容は、ユルカという女の子とその友達が色々な問題に直面する5つのストーリーで構成されていて、それぞれのストーリーの中でTOCfEの3つのツールを学べるようになっています。

4歳から7歳くらいまでを対象に、1つのツールについて3日間位のワークを行うため、5ストーリー×3ツール×3日で最短でも45日。実際は子どもの成長に合わせて数年かけて学ぶそうです。

「The Chest of Secrets」の特徴の一つは、幼児の興味をうながすような、見ていて楽しいツールが用意されていることです。

もちろん、字を知らなくたって大丈夫。

まだ感情が未分化な子どもたちのためにエモティコンと言う気持ちを表す顔文字を使ったり、塗り絵をしたりしながら楽しくワークを行います。

エモティコンと塗り絵

体を使ってツールを学ぶことも「The Chest of Secrets」の特徴です。

ブランチやクラウドの絵が描かれたシートの上に実際に立って、対立する相手と押し合ってみたり、実際に障害の上を一歩一歩あるいてみたりと、3つのツールを体で覚える工夫がされています。

06 体を使って遊ぶ

ポーランドより初来日されたマチェック氏によるワークショップとTOCシンポジウムの講演があったのは2014年の2月のことでした。

当時、保育園の先生を中心にTOCfEツールの使い方の勉強会を開いていたTOCfE調布塾では、塾長の伊藤孝一さんをはじめとして数人のメンバーが参加し、
「これは「ちゃんと考えることを“体得”した大人」になるためのツールに違いない。TOCfEの3つのツールを体で楽しみながら学ぶことをぜひ日本の子どもたちにも伝えたい!!」
と強く感じました。

そこで塾では「日本版の「The Chest of Secrets」をつくる」と言う目標を掲げ、現在、5つの物語の中の最初の「虫めがね」を題材に活動を進めています。

英語の教材の日本語化から大人によるトライアルを得て、塾メンバーの保育園で最初のワークにこぎつけたのがその年の末のこと。

今年2月の京都の”TOCシンポジウム”では、その時に行った年少クラスと年中クラスのブランチのワークの様子を紹介しました。

ブランチのワークの目的は、モノゴトはいきなり降って湧いたように悪い結果が生じるのではなく、その前に修正できる機会がたくさんある事を子どもたちに体得してもらうことです。

題材である「虫めがね」は、ユルカの友達クバが、お姉ちゃんから黙って借りた虫めがねを学校の友達に見せびらかしているうちに落として割ってしまって怒られるまでの5つのシーンが連続するカンタンな物語。

04 ユルカとクバ

最初にそのお話を聞いた時には4番目の虫めがねの割れたシーンばかりを口々に発表していた子どもたちが、3日間のワークを通して、虫めがねが割れる前にいくつものステップがあることを理解していく姿が印象的でした。

あれから一年。TOCfE調布塾ではただいま年中クラスの子どもたちに対してクラウドのトライアルを実施する準備を進めています。

このクラスは、昨年ブランチのワークを実施した年少クラスがそのまま持ち上がったもので、今年になって新しいお友達も入ってきたのでもう一度ブランチを復習した上でクラウドのワークを行います。

協力していただく保育園の先生は、「ちょうど子供たちの間でケンカが盛んになる年頃なので、クラウドの反応がとても楽しみ」と期待してくださっています。

2014年の来日講演の際、マチェック氏は「The Chest of Secrets」を学んで育った子どもたちのその後について印象深いエピソードを紹介されていました。

「小学校に上がった子どもたちが学校の行事でスケートリンクに行った時、みんなで滑っているうちにリンクの真ん中で二人の子どもたちが喧嘩を始めました。それを見た教師が近くまで滑っていって「あなたたち、どうすれば良いか分かっているよね」と声をかけてまた離れて行きました。すると、子どもたちは言い争いをやめ、おもむろに互いに向きあって立って何かを言い、一歩横にずれてまた何かを言い、そして何事もなかったかのように分かれていきました」

きっと彼らの足元には彼らにしか見えないクラウドのシートが敷かれていて、それをなぞりながら話し合いをしていたのではないかと思います。

08クラウドで話す

こんな風に保育園児たちが園庭にクラウドの絵を描き出したら。。。今からとてもワクワクしています。

TOCfE調布塾ではさらにワークを行う保育園や幼稚園を拡大して行く予定で、只今、ワークに協力していただけるところを募集中です。また、ワークをやってくれる仲間も募集しています。

英語の翻訳から教材作り(これが意外と難しい。“行動”、“要望”では幼稚園児には分かりません。だれか幼稚園児にも口ずさみやすい、可愛くてわかりやすい言い回しがあったら是非教えてください)。

残るATTそして他のお話のトライアルなどまだまだたくさんやることがありますので、多くの方に参加していただけると嬉しいです。

TOCfE調布塾の連絡先:
E-Mail:tocfe.chofu@gmail.com

みんなで、“ちゃんと考えることを体得した”子どもが(そして、それが長じて“ちゃんと考えることを体得した”大人が)たくさんいる日本を目指しましょう。

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最後に一つイベントのお知らせです。

もう明日(12日)のお話ですが、調布塾では、横浜塾の協賛を得て、TOCfE日本法人の理事で株式会社ジョイワークス代表取締役の吉田裕美子さんによるChest of Secretsチャリティーセミナーを開催します。

「強いチームを作るための Why-How-What」

既にイベントの申込みは完了していますが、若干名であれば当日飛び入り参加も大丈夫と言う事ですので、ご興味のある方は是非!

なお、セミナーの参加費は全額Chest of Secretsのローカライズ費用に充てられます。
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明日の TOCfE Advent Calendar 2015 12日目はEijiさんによる「目的と目標について」のお話です。乞うご期待!!

大学生のTOCfE

このエントリーは、TOCfE Advent Calendar 2015の9日目の記事です。
昨日のエントリーは、たのっちさんの”君はその障害を取り除けるか”でした。

こんにちは、本日担当する土井柾輝です。

みなさんがTOCfEのツールについて詳細な解説をしてくださっているので、自分はツールについての説明は割愛して「じゃあそのツールを使って結局どうなったの?」というところを少し書きたいと思います。

僕は1年ほど前から、“TOCfE@法政大学”という形で学生向けにfEのツールの勉強会を月に1度開いています。学生向けとはいっても社会人の方も学生の学びを支援する形や一緒に勉強する形で参加してくださっています。TOCfEを学んでいる方々はほとんどが社会人の方で、それ以下の世代で学んでいる人はほとんどいないのが現状です。しかし、そういった社会人の方々からは、「大学生のころから知っていれば・・・」という声をよく耳にします。そこで僕たちは大学生向けに身の回りの問題を取り扱いながらツールを学ぶことで、自ら考え行動できる大人になることを目的として大学生コミュニティを立ち上げました。

 

今回はそういった活動の中で実際にあった、この寒い季節にぴったりの少し心温まるSさんのお話を書きたいと思います。

Sさんは初回からずっと継続して勉強会に参加し続けてくれているのですが、この参加した1年の間で1つ大きな変化が身の回りで起こったと教えてくれました。それは「父親と会話ができるようになった」ということでした。

 

Sさんのお父さんはいわゆるバリバリのサラリーマンで、仕事人間。そんなお父さんとの会話は基本一方通行、Sさんは父親の言うことを聞くのみ。反論は許されず、何を言っても論破されるのでSさんは父親と進路などのまじめな会話をすることが億劫になり、真剣な話をすることは少なかったそうです。そんなある日、Sさんは僕との会話の中で「父親のことを本当に尊敬している」といいました。「最近父親とよく話すようになったのだけれど、話してみると父親のことがよくわかった。父親みたいな人間になりたい」

そんな状況の転機となったのは、本人曰く「継続的にブランチを書き続けたこと」。ブランチというのは、fEのツールの1つですが、Sさんは大学での勉強会が終わった後も個人で継続的にブランチを書き続け、練習していたそうです。「書き続けたことで、一旦立ち止まって物事を考えるようになった」と彼は言っていました。父親からも、「話し方が変わった、言っていることに納得できるようになった」と言われたそうです。今ではきちんとお父さんは息子の話を聞いてくれるようになり、一方通行の会話はなくなりました。Sさんは「本当に相手の立場になって考えることを知った」と言っていました。

以上がSさんの話です。いかかでしょうか。

二十歳を過ぎて父親と分かり合う…個人的にものすごく感動しました。

他にもTOCfE@法政大学のコミュニティでは様々な学生が学生らしいテーマで毎月楽しく学んでいます。Sさんの他にもある学生は就活で話に説得力があると褒められたと言い、またある人は自らの納得いく進路決定が出来たと言います。

 

全国で様々な勉強会が行われていると思いますが、こうしたことが大学生コミュニティでは起こりました。ツールを学んだことで様々な変化が起こります。興味ある方は1度勉強会に足を運ばれてみてはいかがでしょうか?

 

(以下個人的な感想です。)

僕がこの1年間学生コミュニティをやってみて思うのは、このTOCfEというツールは「自分に自信を持つ」ということを手助けしてくれるものだということです。上記に挙げたような例などはすべて学習者のそもそもの力であってツールの効果ではないと思います。ツールの効果というものは、普段うまく使えない・表現できていない自分の中にある自分なりの考えや答えというものを最大限に引き出すところにあると考えます。その結果自分に自信が持てるのだと感じます。自分で自分にYESといい続けることが出来る学生は、きっと胸を張って「充実した学生生活を送った。」と言えるのではないでしょうか。それはまたどのライフステージでも共通のことかなと思いました。

 

TOCfEを日常の中でこんな風に使ったよ、というお話を聞けるイベントが12月19日(土)、秋葉原で開催されます。

【東京開催】日常系非日常TOCfE ~日常の中でちょこっとやってみたこと言う会~

同じく、TOCfE@法政大学も次回は12月21日です。

TOCfE@法政大学

 

興味あるかたはぜひ!

 

次のエントリ

明日の TOCfE Advent Calendar 2015 10日目は、再びたのっちさんです。クラウドの話をお書きになるとか…1日おきで書くなんてパワフルです!